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クリニックブログ

野球肘 part3

2024年12月14日

こんにちは!理学療法士の鳥居です!!

今回は野球肘の予防についてお話しさせていただきます!

野球肘だけではなく全てのスポーツ障害に共通しますが

○負荷のかからない動作の獲得

○正しいウォーミングアップ

○入念なクールダウン

この3点は障害予防においてとても重要です!

この中から今回は負荷のかからない動作の獲得についてお話しします。

投球動作を見ていく中で「身体の開きが早い」「肘が下がっている」という言葉をよく聞きます。

確かにこれらの動作は肘への負担の増大に繋がる動作と言われています。

しかし、身体が開いているから「開きを抑えろ」肘が下がっているから「肘を上げろ」 

そういった意識だけで改善を図ろうとすると、よりフォームが悪化したり球速が落ちてしまったという話をよく耳にします。

↑肘が肩のラインより下がっている例(肘下がり)

投球は腕だけではなく体幹や下半身の動きと合わせて行うものです。そのため体幹と下半身の動きが悪くなってしまうと上肢(肩肘)の負荷が上がってしまいます。

ケガのリスクを下げるフォームを獲得するためには局所的な部分だけを直すのではなく、肩甲骨や体幹、下肢など全身の動きをスムーズに動かせるようにする必要があります!

今回は肩甲骨や指に対するをエクササイズをお伝えします!!

〜肩甲骨のトレーニング〜

僧帽筋中部(肩甲骨内転)

 ①うつ伏せになり腕を真横に広げます。

 ②肩甲骨を寄せるようにしながら腕を上げていきます。

 

僧帽筋下部(肩甲骨の内転•下制)

 ①うつ伏せになり腕を斜め45°に広げます。

 ②肩甲骨を反対のお尻に近づけるイメージで腕を上げていきます。

前鋸筋(肩甲骨の外転)

 ①四つ這いになり手に位置は肩の真下、体幹を真っ直ぐにします。

 ②片手を離してキープします。

 ③なるべく力を抜きながら腕がプルプルしないように支えます。

〜指のトレーニング〜

 ①洗濯バサミを指でCを作るイメージで挟みます。

 ②指の第1関節が潰れないように押します。

  人差し指と中指をメインに行います。

野球肘 part2

2024年11月25日

こんにちは!理学療法士の鳥居です!!

今回も前回に引き続き野球肘についてお話しします!

テーマは野球肘の分類についてです!

野球肘には大きく分けて4つの分類に分けられます!

①内側型 

②外側型

③後方型

④その他

それぞれの代表的な疾患を下の表にまとめました。

表の中からいくつか抜粋して疾患の説明をします!

○リトルリーグ肘

 上腕骨内側上顆障害とも呼ばれ、小学生の野球肘で最も多いといわれています。繰り返しの投球動作により内側上顆(肘の内側の骨の出っ張り)の成長軟骨が障害されます。初めは痛みも軽く数時間すると痛みも治りますが、放置すると痛みの強さと持続時間が悪化します。そのまま投球を続けると剥離骨折を起こすこともあります。

 

○内側側副靱帯損傷

 骨端線が閉鎖する高校生以上で起こります。こちらも繰り返しの投球動作により肘の内側側副靱帯に牽引ストレスがかかり部分的な損傷や変性を引き起こしてしまいます。よく聞くトミー•ジョン手術はこの内側側副靱帯の靱帯再建術です。

○離断性骨軟骨炎

 小学生の頃に発症することが多く、野球肘の中でも重症化しやすいといわれています。初めは肘を曲げ伸ばしする際の痛みや可動域制限が起こります。悪化すると軟骨片が遊離してしまい、肘関節の中で挟まることで肘が動かなくなったり、引っ掛かり感を感じるようになります。剥がれた軟骨(関節内遊離体)は関節ねずみとも呼ばれます。

 

○肘頭骨端線閉鎖不全

 骨端線が閉鎖していない小中学生で起こります。投げ終わり(フォロースルー)で肘が伸びる際に肘の後方で骨同士の衝突が起き、骨端線が開く負荷がかかります。それにより、骨端線部位の閉鎖不全や分離が起きてしまいます。

簡単ではありますが以上が疾患の説明となります!

次回は野球肘の予防についてお話しさせて頂きます!!

“整形外科と木”について

2024年11月15日

整形外科(Orthopaedics Surgery)という言葉が最初に使用されたのは、1741年にNicolas Andryがパリ大学で教科書として出版したL’Ortho-pedieという本の名前に由来しています。この言葉はギリシャ語由来で、ortho(正しく、まっすぐ矯正するの意味)、paedics(小児の意味)の2つの言葉からなる合成語です。この本では小児期の変形を矯正し、かつ予防する技術について述べられています。この教科書の中で整形外科を象徴する挿絵として湾曲した木をまっすぐに矯正している絵が描かれています。今日、多くの整形外科関連学会、雑誌、病院のシンボルとして木が描かれてます。

院長 服部宏行

野球肘 part1

2024年11月08日

こんにちは!理学療法士の鳥居です!

暑かった日々もようやく落ち着き気温が下がってきました。

野球好きの自分としては日本シリーズやワールドシリーズが終わると、今年もあと少しなんだなと寂しくなります。

今年も大谷翔平選手を中心に野球界は大盛り上がりでしたね!

その中で今回は野球肘について何回かにパートを分けてお話しさせて頂きます!

part1となる今回は、野球肘の病態についてお話しします!

【野球肘とは】

投球動作中や投球後に生じる肘の痛みを総称して野球肘と言います。

人によって内側や外側、後方など痛みの場所も異なります。

また、年齢によっても損傷されやすい組織が変わってきます。

○小中学生=骨端線や骨軟骨

○高校生以上=骨端線閉鎖後の骨や関節、靭帯など

【原因】

基本的には投球動作を繰り返し行うことで、肘関節を構成する骨(上腕骨•橈骨•尺骨)、軟骨、靭帯、筋肉などの組織への負荷が過剰になり発症します。

その他の要因として、「筋肉の柔軟性低下」や「関節の可動域低下」などの身体的な因子と「肘下がり」「身体の開きが早い」「手投げ」などの技術的な因子が挙げられます。

【痛みが出るメカニズム】

内側型

野球肘の中で最も多い部位といわれています。

肘の内側には「内側側副靱帯」や「手首や指を曲げる(屈曲)筋肉」が付いています。

この筋肉はボールを握る•手首のスナップをきかせる動作の時に働きます。

投球時に肘の内側には関節が離れようとする牽引力が働きます。

外側型

肘の外側にも外側側副靱帯がありますが、野球肘ではあまり損傷されることはありません。

肘の外側では骨同士(関節)がぶつかる圧迫力が加わり、離断した軟骨や滑膜が挟まってしまって痛みが出現します。

後方型

後方でも外側と同じように圧迫力が加わり、骨同士が衝突したり、擦れたりします。

特にフォロースルーの時に肘が伸びる際に骨同士の衝突が起きてしまいます。

これにより疲労骨折や骨軟骨が擦り減ってしまいます。

次回は野球肘の分類についてお話しさせて頂きます!!

定期勉強会

2024年10月28日

こんにちは!

理学療法士の若山です。

今回の勉強会では「股関節手術後の可動域制限」「肩関節の可動域制限」について学びました。

今回は股関節に人工関節を入れる手術後のリハビリについて学びました。基本的に手術後に可動域制限がある場合は股関節の内転・内旋位になる事が多いと学びました。今回の勉強会では股関節外旋筋のトレーニングやストレッチについて学ぶことができました。

「肩関節の可動域制限」では肩甲上腕関節を確認する事が重要と学びました。肩関節軽度外転・屈曲位で上腕骨頭の動きを確認し、前方か後方のどちらの組織が可動域制限をきたしているのかを評価する重要性を学びました。

今回の勉強会で学んだ事を今後も活かしていきたいと思います。