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骨軟部腫瘍

骨軟部腫瘍について

整形外科で取り扱う腫瘍は骨から発生する骨腫瘍と皮膚、皮下組織、筋肉、神経などの臓器以外の軟らかい組織に発生する軟部腫瘍が有ります。その頻度は決して多くなく、特に悪性腫瘍は大変低く、希少がんの一つとなっています。また、悪性度が高いものが多く、化学療法や放射線療法など集学的治療が必要となり、多くの整形外科医が敬遠する分野です。

骨腫瘍

多くの骨腫瘍は年齢/発生部位/罹患骨/画像所見で診断できるといわれています。
骨腫瘍の中でも最も頻度の高い腫瘍は転移性骨腫瘍です。癌の治療中/後に出現します。原発巣が発見される前に、転移性骨腫瘍から発見される場合もあります。基本的には原発巣の専門科の集学的治療が優先され、骨病変による障害で日常生活に問題が生じてくるようであれば、整形外科医がその治療に介入するのが一般的です。
良性腫瘍の多くは偶発的に発見され、症状も無く、診断できれば経過観察で問題ありません(非骨化性線維腫、骨軟骨腫など)。病的骨折を繰り返すものや変形を伴うもの(骨のう腫、内軟骨腫、線維性骨異形成症など)、疼痛を伴うもの(類骨骨腫、軟骨芽細胞腫)では手術加療が選択される場合も有ります。また、良性腫瘍でありますが、易再発性で骨破壊の強い、骨巨細胞腫は手術加療が行われます。
原発性悪性骨腫瘍で最も頻度が高いものは骨肉腫です。それでも、日本での発生頻度は全体の悪性腫瘍の1%以下で、年間200人程度の罹患数です。治療成績はこの30年間で化学療法の導入/画像検査と手術手技の進歩により飛躍的に改善しました。5年生存率も70%前後で、患肢温存率(切断しないで済むもの)も90%程度となっています。しかし、転移症例や局所進行例では治療成績が悪く、早期診断/早期治療が原則となっています。

良性骨腫瘍 | 悪性骨腫瘍

2) 軟部腫瘍

軟部腫瘍はいわゆる患者様がしこりとして自覚するものです。多くの軟部腫瘍は良性腫瘍で治療の必要はありません。そのため悪性腫瘍の取扱いには注意が必要です。悪性を疑わなければならない病変として、5cm以上の大きなもの/深部(筋肉内/筋間)/体幹に近いものが挙げられます。MRIなどの画像検査をしますが、骨腫瘍のように診断できるものは限られています(皮下脂肪腫/神経鞘腫/血管腫など)。基本的には生検による病理組織診断に委ねられます。治療の基本は手術療法で広範囲切除(正常組織を含めて一塊に切除)が行われます。近年、高悪性度のものにある程度の化学療法治療効果が認められるようになり、化学療法も施行されるようになっています。以前より問題となっているものに、初回の不適切手術があります。しこりに対して悪性を全く疑わずに単純摘出を施行してしまう事です。悪性軟部腫瘍でも技術的には単純摘出は容易であるため、安易に切除され、その後の追加治療に難渋する場合があります。

不適切な初回手術が施行された前腕軟部肉腫

診断と治療のポイント

すべての疾患にも言えることですが、特にこの骨軟部腫瘍でも重要なことは正しい診断です。正しい診断ができれば自ずと治療方針は立てられます。しかし、診断が間違っていれば治療法も適切なものではなく、取り返しのつかないことになります。特に希少がんである悪性骨軟部腫瘍は病理診断にのみ頼るのも危険があり、画像診断/臨床診断などを合わせて最終診断が下されます。整形外科専門医と良く相談し、適切な施設での治療を勧めます。

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